■この記事の筆者は当院の院長が書きました。院長プロフィールはこちらへ。公開日:2024年11月30日 

蓄膿症の鍼灸施術について

鼻づまり

■蓄膿症による症状の改善は期待できます!


蓄膿症(副鼻腔炎)とは副鼻腔という部位に膿が溜まり、鼻づまり・嫌なにおいがしたり不快な症状が起こる病気になります。
蓄膿症は現代医学では抗生剤を服用するのがベーシックな治療になりますが、実は他にも改善が期待できる治療法があるのです、それが「鍼灸」になります。
では鍼灸施術によって患者様が得られるベネフィット(利益)ですが、それは・・・
@1日でも早く日常生活を気分よく過ごせるようになれますよ。
単独で抗生剤を飲み続ければいずれは改善されると思いますが、鍼灸と併用することで1日でも早く快適な生活を過ごせる可能性は高くなります。

A仕事の効率が良くなります・もしくは学校での勉学に集中できます。
気分よく過ごせるだけではありません。鼻づまりや嫌な臭いがしては効率よく業務はこなせません。鍼灸で施術をすることで業務を集中して効率よくできる可能性が高くなります。

➂状態によっては完治も可能ですよ。
蓄膿症はなかなか完治することはない症状ですが、急性の場合であれば鍼灸もしくは単独での薬の服用をすることで、早い回復が期待できますよ。

こんな感じで簡単にまとめましたが、もう少し詳しく知りたい方はここから下をご覧くださいね。
医師 説明

■現代医学では・・・


●蓄膿症とは・・・
・風邪・花粉・カビ・ストレスなどが原因により副鼻腔という場所に炎症を起こします。炎症が長引くほど炎症した部位に膿がたまります。これを蓄膿と言います。
●主な症状・・・・
@鼻がつまり息苦しい
粘膜の炎症が続き、慢性化することで鼻茸(はなたけ)が形成され、それにより鼻がつまり息苦しくなります。
A鼻をかんでもかみきれない
膿が溜まってくると副鼻腔内にある粘膜が腫れて鼻腔へと通じる穴がふさがることで強い鼻詰まりがかんじることがありますね

➂ドロッとした黄色い鼻水が出る。
アレルギーや風の引き始めは透明でサラサラな鼻水が出ますが、副鼻腔炎になると粘りっ気の強い黄色い鼻水が出ます。これがひどくなると粘りっ気の強い緑色の鼻水が出るようになります。

➃頭痛・頭重感を感じます。
頭がぼーっとして集中して仕事や勉強を取り組むことが難しくなります。

D鼻水が喉の方に垂れてネバネバします。
副鼻腔炎では喉の方に鼻水が垂れてネバネバするのを感じるのが特徴としてあります。これを専門用語で後鼻漏(こうびろう)と言いますが、これは気持ち悪く、声も出にくく、咳が出て眠れない方も見えます。

E顔が痛くなる場合があります。
副鼻腔に膿がたまることで、顔を圧迫することで痛みが出る場合があります。人によっては虫歯でもないのに歯が痛いときがあります。
等様々な症状があります。
治療
●治療法
・治療は「薬物療法」と「手術」の2つがあります。
まず薬物療法として
@抗生物質を投与します。
・一般的に抗生物質を服用することで半分以上の方が回復します。
Aステロイドを投与します。
・鼻のネブライザーや点鼻薬を使用することで鼻に粘膜の炎症を抑えます。ステロイドを使用する際は医師の指示に従って下さいね。
次に手術ですが、薬物療法でうまくいかなかった方が対象になります。
内視鏡を使って「鼻の通り道を広げる」・「腫れた粘膜やポリープを除去する」・「鼻の中の軟骨や骨の構造を修復する」等をして改善を目指します。

・セルフケアとして
@蒸しタオルを鼻の上において、蒸気を吸収する。
A温かい物を飲んで鼻の通りを良くする。
➂鼻うがいをして膿を出す。
以上の方法がありますが、効果には個人差があるので長引く場合は専門医に診察を受けて下さいね。
鍼

■鍼灸では・・・


鍼灸では蓄膿症という病名はありません。蓄膿症によって生じる症状(鼻水・鼻づまり・頭痛・頭重感等)が当てはまります。
●原因
ストレス・飲食不摂生・体調不調を押して無理をした等により、@脾胃(現代医学でいう胃腸にあたる)の働きが悪くなった為に、胃の経脈(胃の働きに関係する45個のツボを結んだ線を言います)にも悪影響を及ぼします。それによって胃の経脈に関係のある鼻もしくは頭に影響がでることによって症状が起こります。
A風邪や寒邪(現代医学で言うウィルス・細菌の1種)が鼻に入り込むことで鼻の粘膜に影響を及ぼすことで症状が起こります。
➂首から上の症状ですので首肩コリがあればコリを取る施術を加えれば効果もより良くなります。

●施術方法
・脾胃(現代医学では胃腸に当たる)の働きを改善し調和する。
そうすることで脾胃の働きの1つ気血を増やし、鼻(東洋医学で言う肺の一部)に栄養を与えることで症状を改善します。鼻への栄養がうまく行きわたらなくて症状が出るがありますので、その際には鼻の循環を整えるように調和を図ります。

・風邪の治療をして副鼻腔炎にならないようにする。
風邪は肺虚(現代医学で言う呼吸器の働きの低下を示す)・脾虚証(現代医学で言う胃腸の働きの低下を示す等を調整して蓄膿症にならないようい気をつけます。
セルフケア

■セルフケアについて・・・


・当院でおススメするセルフケアは「お灸によるツボのケア」と「食事療法」になります。

@お灸によるツボのケア。
院長が良いと考えるツボを3つ挙げてみます。

〇四白穴
四白穴
四白(しはく)穴は胃経のツボで顔にあります。ここは蓄膿症がある時に反応が強く出るツボで、指で軽く押すだけで痛いところになります。ここを軽く押すだけで蓄膿症の改善が期待できますよ。
〇商陽穴
商陽穴
商陽(しょうよう)穴は大腸経のツボで胃経と似た性質があります。これはお灸もしくは刺絡(ここから少し鋭利な刃で傷をつけて数的血を取る)をします。そうすることで鼻づまりの改善が期待できますよ。
〇内庭穴
内庭穴
内庭(ないてい)穴は胃経のツボで胃経を調和するツボになります。これはお灸で温めることで鼻づまりの改善も期待できますよ。
食事療法
A東洋医学の観点からみる食事療法について

・東洋医学では医食同源と言って食事も重視しています。
今回は副鼻腔炎になるので、炎症がある症状になりますので、まず注意する点は唐辛子・ショウガ・お酒等身体を温める食べ物は少しでも良いので控えて下さい。なぜかというと、熱がある時に熱のあるものを食べたら余計熱を加えることになるので、かえって悪化する可能性が高くなるので・・・。
反対に身体を少し冷やすものを多めに食べて頂くことで炎症の改善が期待できますよ。
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方
【 参考文献 】
・薬膳食典食物性味表|日本中医食養学会

まとめ

・現代医学では蓄膿症はなるべく早期に治療することが望ましいと考えています。何故なら、症状がこじれてしまうと慢性化してしまうからです。慢性化するとなかなか完治させるのは難しくなります。ですから早め早めの処置が大事になりますね。

・鍼灸では鼻かぜからこじれて急性副鼻腔炎になるものとこじれてしまってやや慢性化した副鼻腔炎の両方とも治療は可能です。急性は治りやすいですが慢性は治りにくくなります。現代医学同様早め早めの治療が改善させる近道になると考えています。

・蓄膿症を予防するには風邪をひかないようにすることです。皆さん少しだけ意識して頂くと嬉しいですね。
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