■この記事の筆者は当院の院長です。院長プロフィールはこちらへ。公開日:2022年3月15日 更新日:2024年9月12日

【 解説 】 帯状疱疹

帯状疱疹

■帯状疱疹は診断が決まり次第すぐに施術を続けることで後遺症の心配も軽減できますよ。


「帯状疱疹」って鍼灸で良くなるのかどうか疑問に思う方も見えると思います。

結論から申しますと帯状疱疹は鍼灸で治療は可能です。

そして早く治療を開始すればするほど後遺症にもなりにくいケースが多いのですが、帯状疱疹なんて大丈夫なんて舐めていると大変な目にあいます。
例えば「夜も眠れない」・「肌着がすれるだけで非常に痛い」等精神的な苦痛が襲いますよ。そうならないためにも早めの鍼灸継続治療がおすすめですよ。

では何故そんなことが言えるのかを現代医学と鍼灸から見たやり方で説明していきますね。
医師解説

■現代医学では

・原因は水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こります。子供のころに水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染した時に水痘(水ぼうそう)という形で発症し約1週間程度で治癒しますが、治癒してもウイルスは脊髄から出る神経節という部位に潜んでいます。それが加齢・ストレスなどで体力が落ちた時にウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達して、痛みを伴う赤い発疹を生じる。これを帯状疱疹と呼びます。帯状疱疹は1度かかれば通常は発症することはないと考えられていますが、より体力が低下した場合では再度発症するケースもありますので注意が必要です。
■発症しやすい年代とは
帯状疱疹は加齢が関係しています。帯状疱疹の全体の約7割が50歳以上で残りの約3割は20代・30代の若い人が発症する可能性があります。つまり中高年以降の方が発症しやすい傾向になります。
【 参照ページ 】
帯状疱疹の原因|帯状疱疹JP
治療薬
・治療法は抗ウイルス薬と鎮痛剤があるのでこれを服用します。なお治療は早ければ早いほど痛みの軽減や後遺症になることが少なくなるので早めの受診をすることが重要です。もし帯状疱疹の後遺症が出た場合は神経に直接作用する薬を飲むことで痛みを軽減する方法やペインクリックにて神経ブロック注射をする方法があります。
【 参照ページ 】
帯状疱疹の治療法|帯状疱疹jp
灸治療

■鍼灸では

帯状疱疹を「蛇丹」と考えます。
■原因
ストレス・過労・飲食不摂生などで内臓(脾・胃・肝など)の働きが低下して体内から発生する身体に不要な物質(湿熱や火熱)が皮膚に滞ると気血の循環が悪くなり、その結果として帯状疱疹となると考えます。
■施術方針
@内臓(特に肝・脾・胃)の働きを改善し調和させます。これが全身調整になり帯状疱疹を早期に改善させるためのポイントになります。
A帯状疱疹の患部の症状に対しても施術をします。患部の症状は体内に不要な物質(湿熱や火熱)が患部に滞ってしまうことで起きるので、それらを取り除きます。
Bこれは現代医学の知識と融合したものですが、水泡のある部位に灸をすえます。帯状疱疹ウイルスは熱に弱いと考えられているので患部に灸をすることで、早期改善を促すために帯状疱疹の後遺症が起きる可能性を減らすことが可能です。

■施術経過
これは現代医学と同様早ければ早いほど施術を開始すると良いです。施術の間隔は週1回よりも週2・3回とこまめに施術受けた方が経過はより良くなることが多いです。運悪く後遺症による神経痛が出ても鍼灸治療をこまめに施すことで神経痛の緩和を期待できます。当院では施術効果には個人差がありますが、85歳女性が帯状疱疹後遺症で通院されていましたが、約3か月間で24回の施術で施術開始前に比べだいぶ良くなったという経験があります。
帯状疱疹は鍼灸で対応できますが、疑われる場合は鍼灸の施術と同時進行でも良いので1度病院にて診察を受けて下さい。
■鍼灸による症例
たまたま僕が実家に寄った時に父親が帯状疱疹で痛くて困るということで鍼灸を急遽行った例になります。なお身内を鍼灸施術することのメリットは施術者は経験を積めることです。デメリットは効果がなかったり悪くなったりすると文句を言われることです。前置きはこれくらいにしておき、早速症例をあげてみます。・・・続きを読む
■セルフケア
・帯状疱疹は体力の低下で起こることが多いので、疲労を貯めない為にも睡眠をしっかり取って下さい。

・食事についても重要です。肉を多めに取って蛋白質、気を補い、野菜を取って食物繊維・電解質、気血を補って下さい。魚は身体を温めるものが多いので無理のない範囲で控えめにします。(帯状疱疹の原因はウィルスによる炎症で東洋医学的には身体に熱がこもることが多いので。)冷えたものや生ものは脾胃(胃腸)の働きに悪い影響が出るので無理のない範囲で控えて下さい。

・お灸によるセルフケアですが、帯状疱疹はお灸によるセルフケアを行う前に必ず病院での診察を受けて下さい。何故なら帯状疱疹後遺症を防ぐためです。効果には個人差がありますが、セルフケアとして有効だと思うツボを2つ挙げておきます。
公孫(こうそん)穴
足のツボ
公孫(こうそん)穴
このツボは胃腸の働きを改善を促すことが期待できます。帯状疱疹の原因の1つとして挙げられる胃腸の働きの低下を改善することで帯状疱疹の早期の改善が期待できます。
曲池(きょくち)穴
腕のツボ
曲池(きょくち)穴
このツボは皮膚の病気には大抵挙げられることが多いですが、帯状疱疹も同様の効果が期待できます。効能として皮膚の炎症を抑える、皮膚のカサカサを改善するなどの効果が期待できます。
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方

■まとめ

・帯状疱疹は鍼灸での施術・現代医薬による治療のいずれにも該当しますが、治療の開始が早ければ早いほど改善も早く後遺症の予防も期待できます。
・帯状疱疹後遺症は個々の体力によって変わりますが、鍼灸施術をして効果が期待できます。
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