■この記事を担当している筆者は「当院の院長」になります。詳細はこちら。【 更新日2022年1月17日 】
【 再更新日2022年5月11日 】
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おもらし&おねしょ(夜尿症)
おもらし・おねしょ(夜尿症)で悩んでいる保護者様がたくさん見えると思います。鍼灸で何とかならないかと藁をもつかむ思いで読んで頂いていると思いますが、もう一度現代医学からみた原因と治療法を確認した後に、鍼灸の可能性について説明をしていきたいと思います。
■現代医学で考えるおもらし・夜尿症について
お漏らしやおねしょの大半は病気ではないことが多いです。成長するにつれて膀胱や脳が発達してすることで自然に治っていきます。ただし治るまでには個人差があります。早く治したいかたは小児専門の泌尿器科での治療は可能です。
■「おねしょ」と「夜尿症」の原因
先ほどにも書きましたがほとんどは身体が成長することで良くなっていきますが、中には基礎疾患や膀胱などの排尿に関係する臓器の異常などによって起こることがあります。(例)・尿道が狭くなっていることが原因。
・正常であれば腎臓から尿管、膀胱へ送られるのが何らかの原因で尿管から膀胱に送られず腎臓に戻ることが原因。(膀胱共感逆流症と言います)
■トイレトレーニング
これは膀胱の貯められる量を少しずつ増やすトレーニングになります。尿意が起きたら少し我慢をして漏れる前にトイレに行き排尿を繰り返します。これによって昼間のお漏らしも減少していきます。このトレーニングで大事なことは時間にとらわれ過ぎないように強い尿意を感じる前にトイレで排尿を済ますことです。トイレトレーニングが成功することでお子様の自信に繋がり結果的に数か月で改善するケースが出てきます。トイレトレーニングで改善が難しい場合は抗コリン剤を使います。
■現代医学で考える治療法
夜尿症について
まず治療を始める前に本人の気持ちが一番大事になってきます。本人が治したい気持ちが強い場合は行い、今は嫌だからという場合では様子をみることもい1つの方法です。神経が発達して脳と膀胱との連携が取れてくると睡眠中に尿が溜まると睡眠が浅くなって目を覚ましてトイレに行けるようになりますが、神経系の発達と脳と膀胱の連携は薬で治せませんので、生活指導などを行いながら少しずつ改善を目指していきます。
・日常生活で気をつけて欲しいこと
■お父さん・お母さんに向けて@むやみに起こさないこと。
睡眠中起こしてしまうと抗利尿ホルモンの分泌が悪くなると考えられています。
A叱らないこと。
これは却って逆効果です。できたら褒めて下さい。
B夕食は早めに済ませて下さい。
寝る前の3時間以上前に済ませて頂くとより良いですね。
C便秘には注意して下さい。
■お子様に向けて
@午前中は水分をたっぷり取って下さい。
水やお茶を約500から1000mlは飲んで下さいね
A日没まではしっかりと水分を取って下さい
汗をかいた時は水分を補給して下さい。
B寝る前にはトイレに必ず行ってください。
Cできれば排尿日記をつけて下さい。
*排尿日記
「夜尿の量」=「おねしょをしたおむつの重さ」−「元のおむつの重さ」
これを基に効果的な治療につなげていきます。
*膀胱訓練
午前中にたくさんの水分を取って夕方帰宅してから睡眠までの間をできるだけ我慢をする訓練をすることで膀胱の容量を増やす訓練になります。
・薬物療法
@ミニリンメルトおねしょによく使う薬です。夜間の尿を濃くします。
A抗コリン剤
膀胱を大きくし膀胱の異常収縮を抑えます。これにより尿を貯めることができます。
B抗うつ剤
昔から使われた薬ですが、重度な不整脈が出る場合がある為、近年では様々な治療法を用いて効果がない場合に使われます。
C漢方薬
ある程度の効果は期待できますが、止めると約4割は再発してしまう可能性があります。
【 参照ページ 】 ・子どものおねしょ |
鍼灸では
東洋医学(鍼灸)で考える原因は、生活環境や飲食不摂生や過度なストレス(子供だってあるんです。)もしくは身体の成長段階で臓器が未発達で内臓(肝・脾・肺・腎・三焦)の働きが低下して膀胱に影響を及ぼすかもしくは臓器の発達が十分でないと起こる。
施術方針は@子供にあった刺激量を与えること。A子供はまだ大人の身体ではなく、大人に向かって成長段階であることが多いので、鍼を身体・精神の成長を促すこと。B内臓の働きを調整もしくは改善を促す。C鍼治療だけでなく保護者の方のご理解とご協力を得ること。以上になります。
なお@の子供にあった刺激量を与えること・Cの鍼治療だけでなく保護者の方のご理解とご協力を得ることについてもう少しだけ詳しく説明します。
施術方針は@子供にあった刺激量を与えること。A子供はまだ大人の身体ではなく、大人に向かって成長段階であることが多いので、鍼を身体・精神の成長を促すこと。B内臓の働きを調整もしくは改善を促す。C鍼治療だけでなく保護者の方のご理解とご協力を得ること。以上になります。
なお@の子供にあった刺激量を与えること・Cの鍼治療だけでなく保護者の方のご理解とご協力を得ることについてもう少しだけ詳しく説明します。
まず@については子供は大人に比べて敏感です。ですから少しの刺激だけで症状が改善せきる可能性が高く、大人と似たような刺激では却って悪化してしまう可能性も出てきます。そこで当院では子供用の鍼を使用します。(子供用の鍼は刺すことはしません)
C鍼だけでなく生活指導をして保護者の協力を得るということですが、これは極めて重要で次の見出し「保護者様にお願い」に詳細を書いておきますので確認して下さいね。
C鍼だけでなく生活指導をして保護者の協力を得るということですが、これは極めて重要で次の見出し「保護者様にお願い」に詳細を書いておきますので確認して下さいね。
【 詳細ページ 】 ・東洋医学の考え方 【 症例 】 ・子供のおもらし|当院ホームページ内 |
保護者様へ
器質的なことが原因で起こるおもらし・夜尿症はまずは病院にて処置を受けてください。そうすることで早期回復が期待できるからです。
おもらし、夜尿症は両親の協力が必須です。当院は自宅灸を勧めています。子供に1日1回行ってください。もし症状が良くなってきたからと言って、自己判断で自宅灸の回数を減らすことはしないでください。過去に自己判断で自宅灸を一時停止したら症状が悪化したことがありました。そうならないようお願い致します。
おもらし、夜尿症は両親の協力が必須です。当院は自宅灸を勧めています。子供に1日1回行ってください。もし症状が良くなってきたからと言って、自己判断で自宅灸の回数を減らすことはしないでください。過去に自己判断で自宅灸を一時停止したら症状が悪化したことがありました。そうならないようお願い致します。
両親は失敗しても温かく見守て下さい。(失敗したら口には出さないけど、顔に出てしまう保護者様が多いです。反対に1回でも成功したのに褒めない保護者様もいます。これらは子供を萎縮させるもしくは自信喪失させる行為になります。これらの行為はNGですが、このような態度をとってしまう原因には両親が気持ちに余裕がないケースが多いのです。その場合は、保護者様にも治療を受けて頂き、気持ちに余裕を持っていただけるよう当院でフォローを致します。)
治療を実際受けてみて、お子様が「治療を継続したい」と言う場合があります。
その場合は治療を継続させて下さい。お子様も気持ちが良いもしくは良くなりたいと思っているわけですから、時間や経済的な負担はかかりますが、子供の気持ちを汲み取ってあげて下さい。
治療を実際受けてみて、お子様が「治療を継続したい」と言う場合があります。
その場合は治療を継続させて下さい。お子様も気持ちが良いもしくは良くなりたいと思っているわけですから、時間や経済的な負担はかかりますが、子供の気持ちを汲み取ってあげて下さい。