「リウマチ」の記事は筆者(当院の院長)が書いています。筆者のプロフィールはこちらへ。更新日:2022年1月22日
リウマチ
「リウマチ」という言葉を耳にすると一度かかると治らない・関節が痛くなる・関節が変形する・日常生活に支障が出るなどイメージされると思います。
このページでは現代医学ではどう考えているか、鍼灸(漢方)ではどう考えているかそれぞれの視点で説明していきます。
このページでは現代医学ではどう考えているか、鍼灸(漢方)ではどう考えているかそれぞれの視点で説明していきます。
現代医学では
・関節リウマチとは免疫の異常により関節に炎症が起こり、関節に痛みや腫れが生じる病気になります。進行すると関節の変形や関節の機能障害を起こしてきます。
・原因は不明です。女性は男性の4倍多く、40歳から60歳代の発症が多く見られます。
・主症状は関節のこわばり・関節の痛み・関節の腫れです。症状は左右対称で複数の関節で見受けられるケースが多いが、片側だけもケースもあります。
・原因は不明です。女性は男性の4倍多く、40歳から60歳代の発症が多く見られます。
・主症状は関節のこわばり・関節の痛み・関節の腫れです。症状は左右対称で複数の関節で見受けられるケースが多いが、片側だけもケースもあります。
・関節の症状だけでなく「全身の倦怠感・食欲低下・目や肺など」関節以外の場所にも症状がでます。目や口腔内が乾燥するシェーングレン症候群を合併することもあります。
・検査
リウマトイド因子・抗CCP抗体は重要で、いずれも関節リウマチがあるケースでは検査が陽性になりやすいです。
・検査
リウマトイド因子・抗CCP抗体は重要で、いずれも関節リウマチがあるケースでは検査が陽性になりやすいです。
□治療法
・治療の基本は「発症早期からの抗リウマチ薬を開始すること」です。そして必要に応じて痛みを軽減する「ステロイド」もしくは「非ステロイド系の薬」を使用します。*ステロイドの長期使用には注意します。副作用として(骨がもろくなりやすい・副腎機能低下・高血圧・糖尿病・白内障・緑内障・消化器官の潰瘍)が起こる場合があります。
・また新たな抗リウマチ薬として高い効果が期待できる「生物学的製剤」・「JAK阻害薬」も使用されるケースが増えてきています。ただし関節の変形や破壊が進んだ場合は手術療法がおこなわれます。
・症状が落ち着いてきたら、理学療法やリハビリで、関節拘縮の予防や関節の機能維持・筋力を維持向上させることにより、日常生活の質(ADL)の維持を目指します。
・感染症には注意して下さい。喫煙や歯周病は治療効果に影響を及ぼしますので注意して下さいね。
□生活上での注意点
・症状が強い場合は安静や関節の保護が必要です。・症状が落ち着いてきたら、理学療法やリハビリで、関節拘縮の予防や関節の機能維持・筋力を維持向上させることにより、日常生活の質(ADL)の維持を目指します。
・感染症には注意して下さい。喫煙や歯周病は治療効果に影響を及ぼしますので注意して下さいね。
【 参照ページ 】 ・関節リウマチ(RA)|一般社団法人日本リウマチ学会 |
鍼灸では
東洋医学ではリウマチは「痺証(ひしょう)」に当たります。
なお3つの邪気が関節・筋肉よりもさらに奥にある内臓に入り込む場合があります。そのような状態になるとより一層治りにくい状態になります。
○原因
過労、ストレス、生活習慣などで内臓(肝・脾・腎・肺など)の働きが低下し気血水の不足の状態になったところで、自然界にある外気(湿邪・風邪・寒邪)の3つの邪気が合わさったのが筋肉もしくは関節に入り込むことで発症します。なお3つの邪気が関節・筋肉よりもさらに奥にある内臓に入り込む場合があります。そのような状態になるとより一層治りにくい状態になります。
■治療法
東洋医学の治療の大原則として「虚すれば補い、実すれば瀉す」になります。ここで言う「虚」とは働きが悪くなるもしくは身体に必要な物の不足を指します。「実」とは働きすぎの状態もしくは身体に不要な物があることを指します。「瀉す」とは漏らすとか排出するという意味です。内臓の働きが低下したので内臓の働きを良くするツボを厳選し、身体に不要な者があるので不要な物を排出するツボを選んで施術した上で患部の状態に合わせて適宜鍼灸治療を行います。
■治療経過について
定期的な通院を繰り返すことで、痛みについては日常生活に苦にならない程度までに改善することは可能ですが、完璧に痛みのコントロールをすることやリウマチを完治させるのは難しいと考えます。*完治とはリウマチの検査をしても正常の状態を言います。
■養生として
東洋医学は鍼灸や漢方薬をすればよいわけではありません。養生(バランスの良い食事をする。無理をせず身体を休めること。過労に要注意。ストレスは上手に付き合う事。できる範囲で身体を動かすこと)を大事にしてこそ、治療効果をより一層良くなることが期待できます。■服用中の薬と鍼灸治療について
鍼灸治療をしている間は薬を飲んでいいのかどうか気になる方が見えるかもしれませんので、ここ説明します。抗リウマチ薬・免疫抑制剤などを服用しながらの鍼灸治療自体全く問題ありません。併用することにより相乗効果が期待できるからです。なお服用中の薬を自己判断で中止または量を減らすことはやめてください。必ず担当医師または薬剤師に相談して下さいね。症例
リウマチは膠原病の1つで自己免疫疾患でもあります。なお線維筋痛症もリウマチ同様で自己免疫疾患の1つとして考えられていますので参考にして頂ければと思います。
【 症例 1 女性 45歳 】
■予診票からの身体状況
関節の痛み(現在は右肩・左足首の痛みであちこち痛みが変わります。)この症状は8月初め頃から出始めて、病院で診察を受けた時に医師より「関節痛の原因はリウマチかな?」といった状態で明らかではありませんでした。続きを読む
【 症例 1 女性 45歳 】
■予診票からの身体状況
関節の痛み(現在は右肩・左足首の痛みであちこち痛みが変わります。)この症状は8月初め頃から出始めて、病院で診察を受けた時に医師より「関節痛の原因はリウマチかな?」といった状態で明らかではありませんでした。続きを読む