■この記事を担当している筆者は「当院の院長」になります。詳細はこちら。更新日:2022年5月6日 再更新日:2024年6月21日

■逆子について

逆子

■鍼灸は逆子の効果は多いに期待できます。一度戻れば再発することは少ないです。


せっかく妊娠したのも束の間、今度は逆子ですか?大変ですよね。

逆子が分かってもすぐに帝王切開というわけではありません。まずは逆子体操・骨盤位外転術等順番に行っていけば徐々に治る可能性も高くなります。

ただこれらの治療がすべて有益では限りません。それでもよくならない時があるのです。
そんな時におすすめなのが、鍼灸になります。

特効穴を駆使して逆子が良くなったら、出産までにかかる不安が1つなくなり安心できますよね。誰しも不安なまま出産をしたくないですからね。

詳細は下記に続きが書いてあるので気になった方は読んでくださいね。
医師説明

■現代医学では・・・

基本、胎児は子宮内で頭を下にした姿勢で育つことが多いのですが、頭を上にして育つ胎児もいます。それを「逆子」と言い、医学的には頭を下にしているのを「頭位」といい、頭を上にしているのを「骨盤位」と呼びます。
■逆子の原因
・逆子の原因ははっきり分かっていません。赤ちゃんは妊娠中期(14週目〜27週目頃)まではお腹で活発に動き32週目頃までには位置が頭位に定まってきます。32週目よりも前なら逆子でも心配はありません。逆子は出産以外特に心配はいりません。

■どれくらいの割合で逆子になるのか?
・妊娠30週目に15%、妊娠34週目で10%、妊娠36週で7%位でだんだん減ってきます。

■普通分娩はできるの?
・赤ちゃんが最も大きいところは頭です。そのために逆子で普通分娩すると頭が最後に骨盤を通過することになるので頭が引っかかって出にくくなるなります。もし無事にあかちゃんが出られても出産中に骨折したり、窒息する危険性が伴います。

■赤ちゃんへのリスク
・逆子の分娩で、赤ちゃんが死亡・重篤な合併症が起こる確率は約5%。帝王切開では約1.6%になります。

■治療法
@骨盤位外回転術をする。
妊娠34週目頃から36週目頃に行う逆子の治療法になります。赤ちゃんの頭が下に向く可能性は約60%ほどです。欧米ではかなり一般的に行われているそうです。施術するかしないかは担当の産科医師と相談して決めてくださいね。
Aその他
・逆子体操をする。
・帝王切開をする。
など方法があります。
以上が現代医学の逆子に対しての考え方です。なるべくなら帝王切開をせずに逆子を治し自然分娩したいと考えて見える方は鍼灸が1つの選択肢となります。東洋医学に精通している産科医師では良くなったという事例はあります。なぜ鍼灸で良くなるのかは科学的には分からないそうです。では視点を変えて東洋医学なら説明ができます。
鍼灸施術
■東洋医学(鍼灸)では・・・・
東洋医学では胎児がどのようにお腹の中で養われて出産するのかを述べてみます。妊娠して1か月目に肝経を巡り、2か月目で胆経、3か月目に心包経、4か月目に三焦経、5か月目に脾経、6か月目に胃経、7か月目に肺経、8か月目に大腸経、9か月目に腎経、10か月目に膀胱経を巡って出産します。
■鍼灸の治療法
・逆子の経験穴(至陰)を使用するのがもっとも理想です。至陰穴とは足の小指の爪の際にあるツボです。なお鍼はせずにお灸をします。これに加えて三陰交にもお灸をします。これだけでも逆子が良くなる場合もあります。これで良くならない場合は全身調整を加えます。
至陰穴
至陰穴
至陰穴は膀胱経の井穴で逆子の特効穴であり経験穴です。灸による温熱刺激が効果的です。
三陰交穴
三陰交穴
三陰交穴は脾経のツボで、腎経、肝経の交わるツボです。逆子に有効の他に下痢、不眠等にも有効です。
■僕の二人目の子供が逆子だったので実際に試してみました。
・今から16年前の話になります。妻が病院で定期検診を受けた時に、逆子と判明。妻は元々婦人科で働いた経験上「逆子体操」はやってもすぐにまた戻ってしまうと僕に話したので、「ならお灸は逆子をよく治すことができるからやってみるか」と聞いたら、灸は熱いから嫌だけど良くなるなら我慢するということでやってみた。
結果:至陰穴10個・三陰交穴10個をそれぞれお灸を行った結果、約2週間後に再度検診を受けたら元にも戻っていた。それ以降は戻ることもなく無事出産できた。
注意点

■逆子の鍼灸施術の注意点

@妊娠8か月以降の逆子はなかなか治りにくい。
・妊娠8か月以降は胎児が動かせるだけのスペースが少なくなってくることが1つの原因になります、ですからこのケースを避ける方法として検診で分かった時点で治療を始めると良いですね。文献(レディース鍼灸 医歯薬出版)にも「逆子」は定期検診で分かり次第治療を開始すると80%の方の逆子が良くなるとデータとして示しています。
Aすべての逆子に鍼灸が良いわけではない。
・へその緒が身体に絡んでしまう逆子については不適応です。この場合は残念ながら帝王切開になってしまいます。
【 詳細ページ 】
・東洋医学の考え方
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■まとめ

・逆子は32週目頃までは心配する必要はないと現代医学では考えられていますが、鍼灸で早めにお灸を行うことで逆子から正常位を目指すほうが良いです。

・すべての逆子が鍼灸に適応するわけではありません。
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